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Making of La Traviata im Hauptbahnhof [Traviata im Hauptbahnhof]

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"Making of "Traviata"は、チューリッヒHB駅で上演された聴衆参加型の「椿姫」制作についての番組で、本編放映のすぐ後に放映されたものです。このプロジェクトに関する事、またペレイラ総裁のこのプロジェクトについてコメント等を、以下に要約します。

(1) 長い構想、制作期間
スイスのテレビ局、チューリッヒオペラとHB駅関係者間の協力によって、長い時間かけて計画された。
チューリッヒオペラの役員が歌手を納得させるため、難しいことでないと話していたが、 このプロジェクトは困難に富んでいた。
プロジェクト制作は2年かかって、やっと実現した。 

(2)制作
照明、音響、16台のHDカメラ(各箇所での撮影のため)、寒さに対応する為の、オーケストラの為の暖房椅子、歌手の為、衣裳の下に身につけられる防寒着、何百メートルものケーブル(カメラ及び音を同時に進行させている)、不届き者による妨害への対処準備に催涙スプレーと手錠を装備し、訓練を受けたセキュリティスタッフ等。 歌手達は、劇場上演と違い、指揮は直接見えないし、オーケストラからも離れている。 歌手たちは自分たち自身の声(ヘッドセットでのオーケストラだけしかない)を聞くことができなかったので、予め、いつアリアを歌い始めなければならないか等の、正確なタイミングを体得する必要があった。 リハーサルは専門家とエクストラとでほとんどの時間を費やした。 歌手のリハーサルに関しては2回程ヴィットーリオの参加を待たなければいけない事があったが、彼は飲み込みが速いので、大丈夫とのメッセージをもらった。その様子は、ヴィットーリオがエヴァに抱きつく映像で見られる。

仮に問題が起こった時の為に、オーケストラの前で全ての歌手が歌うようにすると言う計画Bも考慮。 上演/撮影場所はリハーサルの初期段階で、そのセクションを閉鎖しなければならず、一般の駅利用者の弊害になる為、当初の計画よりも減らされた。

(3)視聴率、観客動員数等
結局、当日は3.000人が聴衆として出席し、577.000がテレビで視聴し、多くのメールによるコメントが寄せられた。

初日〔プレミア〕の前夜は、関係者全員がピリピリしており、満足に眠れなかった程だが、出来る限りの事はし尽くして、本番に臨んだと言う確信があった。彼らは熱意を失わないで、このような大きいプロジェクトを実現した事に深い尊敬の念を感じる。彼らは不可能なものを実現した。 一旦決心したら、右往左往せず、プロジェクト完成へと真っすぐに突き進んだ。

(4)ペレイア総裁のコメント
このプロジェクトが、オペラの音楽に興味がなかった(特に若い世代の)人々を新たに惹き付ける事が出来れば、このプロジェクト制作は十分価値があった(そして、オペラそのものへの関心もだけれど、出演した歌手達への関心も高まったのではないでしょうか? ちなみに、この番組放映後、12月に予定されている『ルチア』再演2回は両日ともチケット完売されています。 私も買っておいて良かったです。)。


どうやら、今回のプロジェクトは、
日頃からオペラ文化の継承と拡大を願っているグリゴーロ君にとっては、
正に『我が意を得たり』なものだったようですね。

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コメント 2

keyaki

ありがとうございます。
最後に中継車の中で、テレビ局のスタッフの方たちが、抱き合って喜んでいる姿に、感動しました。
グリゴーロ君は、現場でのリハーサルというか打ち合わせは、2回だけで,ゲネプロにのぞんだということかしら。すごい舞台度胸ですけど、きっと、こういうのが大好きなんでしょうね。
歌手の人選はペレイラさんでしょうけど、さすがに見る目がありますね。
計画Bにならなくてよかったですね。
このメイキングと、本番の抜粋を合わせて2時間くらいの番組を作って、日本のテレビでも放送しないかなぁ....
1992年の再現トスカは、世界各国が参加したのに、なぜか日本は参加しなかったんですが、後日TBSが、そういう番組を作ったことがあるんですよ。

両方のブログの記事中にリンクさせていただきました。TBもさせていただきますので承認よろしくお願いします。

by keyaki (2008-10-07 21:24) 

babyfairy

keyakiさん、

トラックバックどうもありがとうございました。この訳ですが、ドイツ人のフォーラムメンバーが訳してくれたものを元にしています。英語は余り得意でないと書いているので、ひょっとしたら、その英訳を読んで更に日本語にした過程で、かなり間違いがあるかもしれません。しかし、映像を見るだけでも感動的なプロジェクトでもありますね。
by babyfairy (2008-10-08 02:17) 

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